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編集後記

編集後記 2023.1月号

2023.02.01

沖縄本土復帰50周年記念と兵庫・沖縄友愛提携50周年を記念し、尼崎芸術文化協会第39回舞台公演「望郷~ひとりひとりの沖縄~」が11月に尼崎アルカイックホールで開催されました。美しい沖縄の衣装と伝統的な沖縄の音楽と踊りが繰り広げられ、大変見た目にも美しく華やかでありました。もちろん沖縄戦の暗い影も同時に感じられますが、それに関して落語家の3代目 桂 春蝶さんが「沖縄への想い」と題して、思わず聞き入ってしまう沖縄戦を生き延びたある女性のお話をされていました。激しい沖縄戦の最中、もう自決するしかないと決意し、たまたま近くにいた日本兵から手榴弾をもらい、何人かで集まってその手榴弾を爆破して死のうとしました。爆破する瞬間、足や腕を失くすといった中途半端に生き残るのではなく、確実に死ぬために全員が競ってその手榴弾の上に覆いかぶさるのだそうです。しかし、結果的に手榴弾は不発で助かり、また別の日本兵の手榴弾をもらい、同じことをしたが、やはり不発、さらにもう一度同じことをしたそうです。結局、3回とも手榴弾は爆発せず、結果的に生き残ったのだそうです。その時にこの女性は「こんなのでアメリカに勝てるはずがない」と思ったそうです。何とも凄まじい内容でしたが、我々はこういった壮絶な事実を忘れてはいけないと思います。