logo

2丁目タイムズ

最新情報
編集後記

編集後記 2023.3月号

2023.04.01

今年のアートストリート収蔵式で納められる作品はご紹介した様に松島 巌先生のコアガラスを使った作品ですが、紀元前16世紀にメソポタミアで既に生まれた手法というのが、どこかピラミッドや、古代の謎につながるようなワクワク感があります。当時はおそらく、わらに粘土質の泥などつけて器の型つくったコア(芯)として、その周りに融かしたガラスを被せて形を整えて着色や模様を施した後にゆっくりと冷やして固めてつくっていたと考えられています。最後に耐火粘土のコアを掻(か)き出して取り除けばガラスの器の完成です。模様などは後から描くのではなく、小さなガラスパーツを本体制作中に熔かしつけるのだそうです。瞬間瞬間の研ぎ澄まされた集中力が必要とされる作業なのは想像に難くないですが、私自身の仕事の中でもそれ程の集中力を保って行っているのかどうか、甚だ自信がありません。コアガラス製作に限らず、すべての職種においてこの「集中力」は大事なのだと改めて感じた次第です。