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編集後記

編集後記 2022.7月号

2022.08.02

先日、宮崎カーフェリーの方と時間を共にする機会があり、大変興味深いお話を伺いました。造船業界の方々や大型船と関わりのあるフェリー会社・海運会社の方々には常識中の常識であり、ある意味こちらの知識の無さをさらけ出す様な内容でしたが、その内容で大いに盛り上がりましたので皆様にも楽しんで頂ければと思いご紹介致します。

この10月に就航する宮崎カーフェリーの新船「ろっこう」の先日行われた進水式の話になり、進水式の時はその傾斜のある台の上を船が滑って行く様子で進水していきますが、実は造船中もずっとこの傾斜のある台上で船が造られているのだそうです。まずこれに私は驚きました。造船中は地面と平行な場所で作業が行われ、完成後に傾斜をつけるか、少し移動して進水式に臨むものだと思い込んでいたからです。

しかも進水式が行われるのは、完全に船が出来上がった状態ではなく、外装が出来上がり、水に浮かぶ状態になった時点で行うのだとか。つまり進水式を行った上で今度は内装工事に取り掛かるそうです。その理由の一つに造船会社がその場所で次の造船に早く取り掛かる必要があるのだそうです。もちろん話の内容は納得出来るものでしたが、こちらの勝手な思い込みとは全く違う内容でしたので、大変面白いものでした。さらにさらにもう一つ付け加えると進水式の際はオーダーした側も製作した側も水の上に新船がバランスを失うことなく見事に浮かぶまで「心臓がドキドキ」なのだそうです。理由はもちろん船が傾き、そのまま元通りにはならずに最悪のケースも起こりうるからです。実際に某国の進水式で起きた悲惨な動画を見せて頂きました。幸いにして日本では起こった事はないらしいです。改めて自分の知らない事柄ばかりで、これからも勉強が必要だと思った次第でした。