logo

2丁目タイムズ

最新情報
編集後記

神戸の大水害の歴史に学ぶ(編集後記/2024.10月号)

2024.10.25
神戸の大水害

激しかった能登の豪雨被害、亡くなられた方々には心からご冥福をお祈り申し上げますと共に、地震から立ち上がろうとされていた最中で、再度被害に遭われた皆様にはお掛けする言葉も見つかりません。どんなに用心していても災害や事故は突然やってきます。それを頭では分かっていても、日々の忙しさに紛れて忘れてしまうのが私達です。阪神間は水害からは無縁な様な気もしますが、昭和13年には阪神大水害が起きたこともあります。その年の7月3日から5日にかけて、豪雨によって六甲山の各所で山腹が崩壊したため、各河川は土石流を伴う大氾濫を起こし、大きな被害をもたらしました。そして昭和42年にも大水害がありました。その時は住吉川など六甲山系を水源とする河川の中上流域には174基の砂防堰堤が設置されていたことにより、市街地に流れ出す土砂の量は、昭和13年阪神大水害と比較して大幅に減少し、被害が抑制されたといえます。さらに、平成30年7月豪雨による雨量は、昭和13年、昭和42年の豪雨災害に匹敵するものでしたが、その時点で設置された砂防堰堤545基や斜面対策・樹林整備の効果により、人的被害はありませんでした。この様に近年では対策が進んできたとは言え、気象自体が荒々しいものになって来ているので、決して油断しない事が肝要ですね。