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2丁目タイムズ

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沖縄県副知事が来神されました(2丁目タイムズ 2025.8月号)

2025.08.27
沖縄県 副知事 池田氏
池田沖縄県副知事

7月14日(月)に沖縄県副知事の池田竹州氏が来神され、定例の街の勉強会で「沖縄の現状及び未来の構築」と題して、御講義頂きました。以下がその要点となっています。

【沖縄県の歴史、基地負担の現状】

  沖縄県は1400年代から約450年間、琉球王国として独特の文化を育み、諸外国との交易により万国津梁(バンコクシンリョウ)の島として、名声を響かせていました。琉球王国は1800年代後半には沖縄県として日本に編入され、第二次世界大戦下の沖縄は我が国で唯一県民を総動員した地上戦の場となり多くの尊い命が奪われました。終戦後も27年にわたる米国統治下で日本国から分離され、著しい人権侵害、筆舌に尽くしがたい経験をしてまいりました。沖縄の基地面積合計は約18,454ヘクタールで、国土の0.6%の沖縄に70.3%の米軍専用施設が集中しています。日米地位協定は1960年の締結以来、一度も改定されていません。

【沖縄県と兵庫県の交流、こどもの貧困】

  沖縄県と兵庫県の交流は、1945年1月に沖縄県知事として赴任した神戸市出身の島田叡氏が沖縄戦で県民の命を守る活動に尽力された功績をたたえて、1951年6月、糸満市摩文仁に「島守の塔」が建立されたことに始まります。2009年に始まった「KOBE夢・未来号・沖縄」プロジェクトでは、これまでに神戸市内の児童養護施設の児童629名を沖縄に招待していただきました。2015年に実施した沖縄県内の子どもの実態調査では、約3人に1人が貧困状態でした。県では2016年度を「子どもの貧困対策元年」と位置づけて全庁体制で各種施策を推進し、待機児童数の減少、放課後児童クラブ利用料の低減、小中学生の基礎学力の上昇など一定の成果が見られましたが、その前後の3度にわたる高校生調査ではコロナ後、困窮世帯の割合が上昇しています。

【沖縄県の地域外交、観光・経済、戦後80周年と平和】

  昨年3月、沖縄県地域外交基本方針を策定し、県の地域外交において「21世紀の万国津梁」を理念に、国際平和創造拠点、グローバルビジネス共創拠点、国際協力・貢献拠点という3つの分野の目標を掲げています。県の観光収入は県内総生産の約15%に相当し、県経済の最大の柱です。首里城は来年秋に向けて総力を挙げて修復が進められており、7月25日には本島北部に大規模テーマパーク「JUNGLIA沖縄」がオープンします。今年は戦後80周年平和祈念事業として、平和を希求する「沖縄のこころ」の継承などをテーマに、予算額9.4億円で40事業に取り組んでいます。(以上)

沖縄の基地問題や悲しい戦争の歴史など、何となくは感じてはいましたが、基地の負担問題などを具体的な数字で示されると、その苦しみは我々の想像をはるかに超えたものになるのでしょう。皆様が沖縄に行かれる際にはこの沖縄の想いをどうぞ感じることも忘れないで下さい。