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神戸市立博物館 受贈記念特別展 ガラスとともに-玻璃文庫名品撰(2丁目タイムズ 2026.3月号)

2026.03.30
ガラス牛痘盤
ガラス牛痘盤
瓶細工
瓶細工
義眼
義眼

神戸市立博物館では神戸松蔭女子学院大学(現在の神戸松蔭大学)名誉教授・棚橋淳二氏が蒐集された、玻璃文庫コレクションの寄贈を受けました。玻璃文庫とは、同氏が2011年以降に蒐集されたガラス工芸品・七宝工芸品などと、旧びいどろ史料庫から移管されたガラスに関する文献資料からなるコレクションです。江戸時代につくられた日本製のガラス器 -びいどろ・ぎやまん、長崎貿易などを通じて日本にもたらされた欧米のガラス器の他、中国製のガラス器や日本製の七宝焼などが含まれます。とりわけ、明治時代以降、日本でも需要が増えていくメスシリンダー、メートルグラスといった理化学器具を多く含むことも特徴の一つです。本展では、色とりどりの輝きを放つ玻璃文庫コレクションの中から、約120点を厳選してお披露目しています。2丁目振興組合がアートストリートの作品群に於いてガラス作品に力を入れていることもあり、早速、拝見してきましたので印象に残った作品をご紹介します。
「瓶細工」は江戸時代後期から明治時代の初期に作製されたものですが、大変美しく、中に入っている色合い豊かな作品を完成するのには相当な労力が必要だったと感じます。他では特に理化・医療器具に関しては分かり易いということもあり、「ガラス牛痘盤」・「義眼」が印象的でした。ガラス牛痘盤(19世紀中盤から後期)は写真の左側の器に窪みがあり、そこに天然痘のワクチンを入れ、その周りの面と右側の蓋の底面を摺ガラスにして、そこに水や油を塗り密封度を高めワクチンを保管するというものです。義眼は細かい血管模様もあり、非常に精巧に出来たものです。お椀のような形をし、眼球の上にかぶせるようになっています。ちなみに当時(19世紀中盤)は風眼、旬行性角膜潰瘍が非常に多く、角膜ぶどう腫や眼球萎縮などになったので、前者では眼球縮小術をしてこの義眼をかぶせると、よく動き、容貌が改善し喜ばれたようです。中国のガラス絵では「仕女ガラス絵」と呼ばれるこの作品は美しかったです。無色の板ガラスの片面に彩色し、それの反対側から鑑賞するものです。面白いのは逆面で描くので、通常の絵画作品とは異なる順番で描かれているそうです。この様に興味溢れる作品が多くあるこの名品撰は4月5日(日)迄、神戸市立博物館で開催されていますので、どうぞご覧になって下さい。

仕女ガラス絵
仕女ガラス絵

神戸市立博物館:神戸市中央区京町24番地
https://kobecitymuseum.jp