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編集後記

土橋大記著「戦争が生んだ町」を読んで(編集後記/2026.3月号)

2026.03.30
戦争が生んだ町

1944年、サイパン陥落を受けて政府が南西諸島からの集団疎開を推し進め、沖縄や奄美から多くの女性や子供、高齢者が本土に避難してきましたが、宮崎市波島地区もその受け入れ先の一つとなり、川崎航空機工場の建設中止で空き家となっていた約700戸の社宅が疎開者に貸しだされました。当然ながら、戦中・戦後の生活は厳しく生きる為に密造焼酎の製造と、それを阻もうとする税務当局との攻防、そして「焼酎かす」を生かした養豚業への変遷と、波島地区で生きるため、どれほど厳しい環境の中を苦労してこられたのか、現在の恵まれた環境下にいる私達には想像も出来ません。「差別意識」も存在したはずです。沖縄の歴史に触れるたびに、悲劇的な戦争での犠牲者の方々に当然ながら深い悲しみを覚えますが、波島地区で苦闘して生き抜いて来られた方々のように多くの人々の苦難の生活と歴史からも私達は目を背けてはいけないのだと感じました。