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編集後記

段ボール製の簡易住宅「インスタントハウス」(編集後記/2024.2月号)

2024.02.26

先日メディアで取り上げられていた内容に凄く印象深いものがありました。多くの方々も観られたのではないでしょうか。それは能登半島地震で段ボール製の簡易住宅「インスタントハウス」が大活躍していて、組み立ては15分、原価は約1万円で、屋根と扉、窓もついた小さな「家」が提供されているという内容でした。開発したのは名古屋工業大学の北川啓介教授ですが、東北大震災の時に建築家として被災地を視察する機会があり、その際小学生から「仮設住宅が出来るのに、何故3か月や半年も待たなければならないのか教えて欲しい」と聞かれ、返す言葉が無かったそうです。それから低コストで搬送もしやすく多くの方々が必要としているプライバシーを念頭にして開発を進め、実際に活用する事が可能になりました。屋外用簡易ハウス(テントシートを膨らませ、内部に発泡スチロールを直接塗布し、1時間で完成する上、保温効果も抜群!)は15万円です。面白かったのは、仮設住宅がすぐには出来ない理由を全て書き出し、反対側にその理由の反意語を同じく書き並べ、実施可能な方法を探ったというものでした。私達は出来ない理由ばかり探りがちですが、マイナスではなく、ポジティブとなる逆転の発想が本当に大事だと感じました。

段ボール製の簡易住宅「インスタントハウス」
段ボール製の簡易住宅インスタントハウス
段ボール製の簡易住宅「インスタントハウス」