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京都国立近代美術館 モダン都市生活と竹久夢二-川西 英コレクション(2丁目タイムズ 2026.5月号)

2026.05.27
モダン都市生活と竹久夢二―川西英コレクション

私達の街の東西入り口に大きなステンドグラスが飾られているのは皆様ご存じだと思います。東側入り口が「背山眺望」、西側が「港俯瞰」です。この作者である版画家の川西 英先生にとって「竹久夢二」の存在は非常に大きなものでした。2024年に生誕 140 年と没後 90 年を迎えた竹久夢二。今や近代日本美術史上の巨匠としての評価はゆるぎないものとなり、各地で回顧展が開催されています。しかし大正・昭和期の少年少女や美術愛好家たち、青年芸術家たちにとっては、巨匠というよりももっと身近な、イラストレーターであり、デザイナーだったことでしょう。川西先生も夢二の絵と詩に魅了された一人で、自身が収集した膨大な版画コレクションの3分の1以上が夢二の版画・書籍・グッズなどで占められています。

京都国立近代美術館では、「モダン都市生活と竹久夢二」と題して大正期のモダンな大衆文化時代のスターとして幅広い人々に親しまれた夢二の作品とともに、夢二に憧れた川西先生や恩地孝四郎をはじめとする昭和期の画家・版画家たちが描き出した都市生活やモダンな景観、前衛と遊びの世界を展示しており、先日、早速拝見して来ました 。

明治後期から大正時代に入ると、交通の便が進み、郊外に街が広がりました。別の言い方をすればモダン化していきました。結果、貧富の差が拡がりましたが、夢二はその暗い部分にも目を向けたのだそうで、明らかに構図がほぼ同じ2点の作品があり、女性の表情の違いでその明暗を示していた作品は印象的でした。また夢二は江戸時代の浮世絵以来、美人画の定番であった細い釣り目顔ではなく、愁いを帯びた大きな瞳で新しい美人像の流行を作ったのだそうです。

竹久夢二は詩人であり画家・美術家・著者、そして編集者でもありました。川西先生はその夢二に惚れ込み、夢二の作品を、例えば雑誌の表紙を切り取り、それをそのまま冊子状のような紙に張り付け「貼交帖」としても数多く収集しています。そして川西先生は夢二の作品を模写し、ご自身の作品にも深い影響を与えました。つまり川西先生は夢二学校の卒業生とも呼べる存在でした。この展覧会で数多くの作品を拝見させて頂きましたが、夢二が大正ロマンを代表する画家で「大正の浮世絵師」とも呼ばれる理由がよく理解できましたし、川西先生が惚れ込んだのも当然だと感じました。この展覧会は6月21日迄行われていますので、もう初夏とも呼べる京都で大正ロマンを肌で感じてみませんか。

京都国立近代美術館:京都市左京区岡崎円勝寺町岡崎公園内 https://www.momak.go.jp

竹久夢二
竹久夢二
ポリドールレコード
ポリドールレコード
の新譜ポスター
貼交帖
竹久夢二 木版画
川西英手製の「貼交帖」