夢未来号では毎年、神戸市内の児童養護施設の小学校6年生の児童さんを沖縄に研修旅行にお連れし、沖縄と神戸の繋がりや、太平洋戦争での歴史的な出来事などを学んで頂いています。このような活動の考え方の基礎になるような献身的な精神で「児童福祉の父(日本で最初に孤児院を創設した)」と呼ばれているのが、江戸末期(慶応元年)に生まれた石井十次という人物です。宮崎県高鍋町に生を受け、17歳の時に岡山県の医学校に入学し、医師を目指しますが、21歳の時に診療所で貧しい母親の男児を預かり、そのことがきっかけで医師の道を捨て、児童福祉・教育事業に専念しました。明治20年に岡山県の三友寺に孤児教育会を設立しました。そして明治38年に東北地方を襲った冷害による大凶作で多くの農家が破産、離散し、その実態を知った石井氏は6回に分け、孤貧児825名を岡山に預かり、保護・育成し、その孤児の総数は1200名を超えたのだそうです。社会福祉制度の無い時代、多くの資金が期待できない中で、石井氏は独自の「幼児は遊ばせ、子は学ばせ、青年は働かせる」という「時代教育法」を編み出し、故郷の宮崎県茶臼山で原野を開墾し、岡山の多くの孤児を移住させ自立を図ろうとしています。石井氏の残した功績を知れば知るほど、深い感銘を受け、これ程の人物が存在したのかと驚かされます。石井十次のひ孫に当たる児島草次郎氏が理事長を務める社会福祉法人石井記念友愛社は2023年に宮崎県高鍋町に保育所と小規模児童福祉施設「友愛の森」を完成・運営し、災害発生時には緊急避難場所の役割も果たしています。その児島さんには10月2日、わざわざご来神頂き、街創り協議会・ファーストの合同例会でご講演頂きました。.石井記念友愛社には石井十次資料館が併設されていますので、宮崎に旅行に行かれた際には是非お立ち寄り頂ければその偉大さに驚かれるはずです。
社会福祉法人 石井記念友愛社:宮崎県児湯郡木城町大字椎木644-1 Tel.0983-32-3916
石井十次資料館:Tel.0983-32-4612
月曜休館ですが、事前通知があれば開館(入館料500円)