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佐上善昭氏 マンドリン演奏会(2丁目タイムズ 2023.10月号)

2023.10.25

10月1日(日)に機会があり、三宮にある「ロッコーマンホール」で街とも関わりのある「佐上義昭」氏の初めてのリサイタルとなるマンドリンの演奏会に足を運びました。私の卒業した大学ではマンドリン倶楽部があり、団体での演奏会は経験がありましたが、独奏でのリサイタルは初めてでした。今回は楽器制作・作曲・演奏・楽譜出版と、マンドリンの音楽の新たな地平を拓くことに尽力した、ラッファエレ・カラーチェ(1863~1934)に焦点をあてたプログラムとなっていました。なんでも佐上氏はカラーチェの「前奏曲第10番」に深い感銘を受け、マンドリンソロ(無伴奏でマンドリンを演奏すること)に興味を持たれたそうです。その「前奏曲第10番」はもちろんプログラムの中にも入っていて、私の乏しい音楽的な知識では表現が難しいですが、私の頭の中では映画「ゴッドファーザー」とソフィア・ローレン主演の「ひまわり」(ちなみに映画の撮影地は現在のウクライナです)のシーンがずっとグルグルと流れていました。マンドリンの優しい音色が物悲しい響きを含み、心に深く響いてくる曲でした。リサイタルの前半は独奏で、そして後半はピアニストの西村さんの素晴らしい演奏とで、また違った格別な世界観を演出して頂きました。特に後半の最初の曲、「タランテッラ」はナポリ発祥の舞曲で、手を打って踊りだしたくなる曲想ですが、軽快なリズムの中にもピアノの少し重めの響きが上手く絡まって印象的な仕上がりになっており、何回も聴きたくなってしまう演奏でした。今回は予約が必要なリサイタルでしたが、マンドリンにご興味がおありの方々は是非、「佐上善昭」氏に注目です。これから益々成長されていくのは間違いがありません。またご紹介できる機会があればリサイタルの情報をお知らせしますので、楽しみにしていてください!

佐上氏 西村さんと
ラッファエレ・カラーチェ