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2丁目タイムズ

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編集後記

安井息軒の凡人が真似の出来ない逸話(編集後記/2023.11月号)

2023.11.30

今月の勉強会でテーマになった安井息軒が苦労しながら学問に励み立身を志し、最終的に幕府の御儒者になりましたが、やはり偉人には凡人が真似の出来ない逸話があります。若くして江戸に出て、寸暇を惜しんで儒学の本を読み書きしながらお金を無駄にするまいと毎日、醤油と塩で煮詰めた大豆をおかずにご飯を食べていたそうです。そんな息軒は当然、衣服も粗末なままで、それを観た学問所(昌平坂学問所)の仲間が馬鹿にしますが、そんな彼らが息軒の部屋に入ると次の様に書かれた紙がありました。
意味は「今はひっそりと勉学に打ち込んでいるが、いつかホトトギスのように空高く舞い上がり、天下に知られるようになりたい」というもので、その志の高さ、意志の強さに、嘲笑していた彼らも押し黙ったそうです。日頃、自身の才能の無さを嘆いている私ですが、これらの逸話から、やはり自分には「努力・我慢」が足りないと反省する良い機会となりました。